住宅ローン所帯持ち会社員がセミリタイア目指してみた

住宅ローンあり・所帯持ちの会社員がセミリタイアを目指します。ソーシャルレンディング・投資・倹約を中心として、IT関連・デジタル機器・B級食べ歩きなども雑多に書いていきます。

初心者は避けた方が良いソーシャルレンディング事業者とは

湖南(こなん)です。

最近twitterを見ていたら、某プロブロガーに対するdisリプで、捨てアカの名前が私と同名の物を見つけました。当然私ではありません。

閑話休題。

過去数回ほど、自己資本比率などの観点からソーシャルレンディング事業者の健全性という記事を書いてきました。

これは近年続いているソーシャルレンディング事業者の不祥事に対して、元々のファンドリスクを越える形で、事業者リスクの大きさというものが顕在化していると感じたためです。

それでは、事業者リスクの高いソーシャルレンディング事業者とはどんな所なのでしょうか? 私の視点で書いていきたいと思います。

1.財務情報が公開されていない 

まずここでかなりの事業者が脱落してしまいます。

本来、非上場企業は原則として財務情報を開示する義務はないですので、法令上としては何の問題もありません。

しかしながら、信託保全が保証されている訳でもない資金を預けるのですから、事業者の資金繰りくらいは見ないと通常は安心できないものではないでしょうか。むしろここって、ソーシャルレンディング事業者に対しては義務化してもいいくらいだと思っています。

クラウドクレジットのように、会社のWebサイトには出していなくても官報に決算公告を出している事業者もありますので、サービスが魅力的でどうしても投資したい場合は公告を出していないか官報を検索するのも一つですね。

なお、クラウドクレジットは直近の結果ではかなり自己資本比率が高くなっており、短期での事業者リスクはかなり低いと考えています。もっともファンドリスクの方は高い類となりますので、私は投資していません。

2.財務情報が公開されていても親会社が不透明、もしくは損益しか開示していない 

前者は一例を出しますとグリーンインフラレンディング、後者の一例は……トラストレンディングです。

グリーンインフラレンディングは先日のmaneoで取り上げました通り、自身の財務情報を見るだけでは一見正常に見えましたが、親会社の資金繰りは元々かなり危険な状態でした。

www.sr2028.com

一方、トラストレンディングの場合はどうでしょうか。運営会社エーアイトラストのぺージでは資本金・純資産・純利益のみ表記されています。

はっきり言ってしまうと……利益出てますから安心してください、というアピールのためだけに出している情報だとしか思えません。資金繰りの大まかな部分は貸借対照表を見ないと判断できませんし、利益部分だけの開示というのは様々な手法で比較的粉飾しやすいものです。

誤解しないで頂きたいのは、決してトラストレンディングのことを悪質なサービスだと断言している訳ではありません。ただ財務省出身者が複数いることを売りにしながら、あえてこういう情報の出し方をしているというのは、私としては好ましい印象を受けていないということです。

ファンドに対しても言いたいことはあったりしますが……トラストレンディングに何か個人的な恨みでもあるのかとあらぬ疑いをかけられそうですので、この辺りにしておきます。

3.親会社との関係性が希薄と感じられる事業者 

少しここは短期的な事業者リスクとは異なってしまいますが……該当するのはLCレンディングとなります。

親会社のLCグループは直近の中期経営計画で下記のような事業方針転換の説明をしています。

新社長による新事業方針説明会資料

既存の不動産事業から病院関連事業へシフトしていくという所で、なかなかの大転換です。スキーム図としてはLCレンディングも医療法人への貸出ということで入っていますが、実際の所として新分野へアジャストするハードルはなかなか高いのではないでしょうか。

今後の影響として少なくとも、当面ファンド募集は減っていくことが想定されます。

4.最後に

これらはあくまでも私見の一側面です。このような要件を満たしていなくてもTATERUのような事案が発生するケースも出てしまいますし。

ただ、そのようなケースが発生したとしても短期的に破綻するリスクがある企業なのかどうかという判断基準にはなります。

そもそもソーシャルレンディングは決してローリスクではない、ということを頭の片隅に置いておく必要は常にあるでしょう。

もっとも……個人的には、特に1、2のいずれかを満たしている、もしくは公開していても内容が良くない事業者に対しては躊躇してしまいますね。

もしそういう所へ投資するとしても内容がよっぽど社会的貢献が高くて支援するに相応しい、そして資金が戻ってこなくても後悔しないという思い切りの世界になるでしょう。