住宅ローン所帯持ち会社員がセミリタイア目指してみた

住宅ローンあり・所帯持ちの会社員がセミリタイアを目指します。ソーシャルレンディング・投資・倹約を中心として、IT関連・デジタル機器・B級食べ歩きなども雑多に書いていきます。

ソーシャルレンディング事業者「SAMURAI」の財務健全性

湖南(こなん)です。

今回は「SAMURAI」の事業者リスクについて触れてみます。

元々2015年よりスマートエクイティとしてサービスをしていたのが、昨年にJASDAQ上場の「SAMURAI&J PARTNERS」の100%子会社「SAMURAI証券」となりまして、現在の「SAMURAI」ブランドに改称したという経緯があります。

親会社のSAMURAI&J PARTNERS(以下「同社」と記載する)は、沿革としましては元々IT通信系の事業を主体としていた会社でした。ただ、この既存部分は外から見ているだけでも既に死に体と推察されます。ここでの伸びしろは少なくとも既存製品の繋がりからは期待できません。

加えて、ここ近年でも経営陣の交代が頻繁に行われており、足場が固まっていない感が少なくありません。損益につきましても連続で大きく赤字を計上しています。

しかしながら直近の決算短信を見る限り、現状の資金繰りは非常に良いです。流動負債2.3億に対して、流動資産の方は現預金だけでも15億弱あります。

これは6月末に第三者割当による約10億円の資金調達を受けているためです。よって少なくとも今期中に経営が傾くということはまず考えにくいでしょう。

平成31年1月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

同社の中期経営計画でも触れられている通り、金融×ITの新分野に挑戦するという所で今後は金融分野へと注力するという意気込みの現れかと思われます。

中期経営計画

よって、現状としては「SAMURAI」のサービスがグループ全体の浮沈を大きく左右するものとなっており、ここの伸びが厳しかったり問題が発生するとグループ全体の存続にも影響していくのは間違いないのではないでしょうか。

それ故に、短期的にはキャンペーンで少なからぬ営業費用を出して引き続き赤字を出してでも、売上の拡大・認知度の向上がまずは求められてくるところです。今後、この辺りの長期的立て直しが同社経営陣にしっかり出来るのかどうかは……今のところ評価には悩んでいます。

ただ、当初ざっくりと見ていた中では、同社が斜陽企業という印象が強く完全にパスする方向で考えていたものが、目指していく方向性の転換とそれに向けての増資による資金調達という、少なくともあまり悪くない筋へと動こうとしていることは見て取れました。

よって、私としては直近での事業者リスクは低いと判断し、短期ファンドへの少額投資を少し検討しはじめています。

一方、SAMURAIが広くオススメできるサービスかと言われますと、やはりそこの評価は変わらず少々厳しいというのが現状です。長期的な展望やファンドリスクにつきましては不透明な所が多く、今はまだ安定度には欠けると言わざるを得ないでしょう。