住宅ローン所帯持ち会社員がセミリタイア目指してみた

住宅ローンあり・所帯持ちの会社員がセミリタイアを目指します。ソーシャルレンディング・投資・倹約を中心として、IT関連・デジタル機器・B級食べ歩きなども雑多に書いていきます。

クラウドファンディング「TATERU Funding」事業者TATERUの財務健全性

湖南(こなん)です。

ソーシャルレンディング事業者の財務健全性として、自己資本比率を中心とした切り口で各事業者を紹介しています。

第四回目は「TATERU Funding」を取り上げます。ブログでのカテゴリーとしてはソーシャルレンディングとしてまとめてしまっていますが、第三回の「OwnersBook」と同様に、実際には不動産投資型クラウドファンディングという形式で、ソーシャルレンディングとは趣が多少異なるものです。

運営会社のTATERU、先日に不動産ローンの顧客融資書類を改ざんしていたという大きな事件を起こしてしまいました。そんな影響を受けTATERU Fundingは元々中途解約も可能という触れ込みでしたので、出資者の中でも中途解約の手続きを申し込む人が多く見られました。

今後の事業に大きな影響を与えることは間違いない現状ですが、このTATERU、喫緊で経営危機に陥る可能性は高いのか低いのか、少し資料を見てみましょう。

TATERUの最新連結決算短信は下記となります。(2018年6月30日付)

平成30年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

【純資産】23,936百万円
【総資産】35,302百万円
【自己資本比率】67.4%
※現預金   18,875,429千円

過去3回で紹介した他社と比較しましても、非常に優良な自己資本比率です。また現預金も188億円と、過剰なまでと言って良いほどに多く保有しています。

これは今年5月に新株発行を行って、資金を調達したのが一部大きな所でしょう。とは言いつつも3月期の時点におきましても43.6%と、元々高い自己資本比率を保っていました。

今回の件ですが、個人的には今の時点で不正発覚したのは不幸中の幸いだと思いました。今回、貸借対照表からはクラウドファンディングの預託金がどこの科目に該当するか少し読み取れないため、今の預託金総額がどのくらいかは分かりません。

ただ、現状の累計募集金額がサイト上で38億円と記載されている以上、TATERU FundingはTATERUの事業全体に対して、そこまでの規模感ではないと判断できます。OwnersBookのロードスターキャピタルと同様に、TATERU Fundingもまだ余芸に過ぎない規模ということです。

というより個人的には元々TATERU Fundingにつきましては、現状では主な狙いはTATERU Apartmentへの導線・アピール商材、もう少し口さがのない言い方をしますと……今の段階ではまだ資金調達の意義が実は薄い、単なる見せ球的要素があるな、と見ていました。

もっともファンド規模が拡大させていく中でTATERU側も今後画策する所はあったのでしょうが……この辺りの考察は割愛します。逆に募集金額がもう少し大きくなった段階で不正発覚すれば取り付け・解約についても大きな影響があったと思われます。

今回、ファンドの中途解約に対して迅速なアナウンスがありました。それは逆を返すと経営としてはファンドに対する解約が殺到したとしてもそこまでの痛手ではなかった、ということも言えるわけです。

少なくとも今年度中は売上・事業計画に多大な痛手を受けることは間違いないでしょう。ただ、少なくとも今年度で資金繰りが立ち行かなくなるということもまずないかと思われます。

現状の財務状態を見ていきますと、先程述べた通り当座の資金は非常に潤沢、保有している販売用不動産も60億程度と比率としては多くなく、加えて流動負債も少ない状態ですので。

と、そう言った状況を勘案して、私については9月末終了予定の現在資金を入れているファンドはそのまま続ける方針にしました。財務周りは大手の外部監査(あずさ監査法人)を受けている一部上場企業として、改ざんのできない一定の信頼ができる情報ですし、財務の詳細情報が非開示だったラッキーバンク・みんなのクレジット等とは同列にできない部分でしょう。

TATERUの事後対応は今のところ全体的に迅速、各アナウンスも適切な水準と見ています。今後の対応につきましても注視したいところです。

次回はトラストレンディング…と行きたい所なのですが、あまり明るい話になりそうもないので見送ろうか悩んでいます。

ソフトな所でLCレンディング辺りは良いかなと思っています。同じ不動産系でもOwnersBook・TATERUとはかなり違った方向性をご案内できるかもしれません。