住宅ローン所帯持ち会社員がセミリタイア目指してみた

住宅ローンあり・所帯持ちの会社員がセミリタイアを目指します。ソーシャルレンディング・投資・倹約を中心として、IT関連・デジタル機器・B級食べ歩きなども雑多に書いていきます。

ソーシャルレンディング事業者「クラウドバンク」の財務健全性

現在、私はソーシャルレンディング事業者に関して、クラウドバンクを中心に投資しています。少なくとも今年度はその方向性を変えるつもりはありません。

判断基準の一つとしましては、貸借対照表で分かる財務健全性をその一つの指標として見ています。

ここで運営会社日本クラウド証券株式会社の財務情報について見てみましょう。

https://crowdbank.jp/pdf/disclosure_2018.pdf

私が指標として重要視しているのは、事業者リスクとして大きな意味合いを持つ「自己資本比率」です。

自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値であり、<自己資本÷総資本(自己資本+他者資本)>の式で算出いたします。

自己資本比率の目安としましては、ざっくり50%以上なら優良企業、40%を越えると倒産リスクの少ない企業という所でしょうか。20~30%なら一般的な水準、10%台では中小企業として良くある水準ですがやや資本力に乏しい状況、そして一桁以下ですと…財務的には不安要素として判断して良いかと。

併せて、自己資本比率だけが高くても動かせる流動資産が少ないと、不慮の事態でいわゆる黒字倒産というリスクもありますので現預金などの量を見る、というのが簡単な見方となるでしょう。

そして下記が日本クラウド証券の平成30年3月期数値となります。
【純資産】   560,844千円
【総資産】1,405,103千円
【自己資本比率】39.9%
※現預金912,793千円

前年度決算が良かったこともありまして、かなりリスクの少ない水準になっていると判断できます。併せて、流動資産としての現預金も潤沢な状態ですので、突然の破綻リスクも少ないと判断して良いでしょう。

ちなみに、その前の平成29年3月期はどうだったかと言いますと。
【純資産】  129,676千円
【総資産】  690,723千円
【自己資本比率】18.77%
※現預金493,237千円

自己資本比率が20%を割るなど、中小企業としては良くある数値状況ではあるのですけれども、やや不安が残る状態でした。この状況が悪化&赤字決算でしたらクラウドバンクからの資金引き上げも考慮していましたが、かなり良い決算でしたので継続することに決めた次第です。

www.sr2028.com

加えて、親会社クラウドバンク株式会社の貸借対照表はどうなのでしょうか。

http://crowdbank.co.jp/media/pn201803BS.pdf

【純資産】 518,807千円
【総資産】1,240,230千円
【自己資本比率】41.8%
※現預金62,333千円 関係会社短期貸付金224,500千円

現預金がやや心もとない気もしますが、ホールディングス会社という立ち位置ですので関連会社への短期貸付金もありますし、問題なくコントロールできる水準と判断いたします。

なお、投資資金の分別管理を行うクラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社の貸借対照表はこちら。

https://crowdbank.jp/pdf/finance_condition/2018/FS.pdf

こちらは顧客の資金を預かるという特性上、ここを自己資本比率で算出すると物凄く低い値で出てしまいますので、これは資金の流れがおかしなものになっていないか確認する程度で良いかと思われます。もっともクラウドバンク・フィナンシャルサービスへも外部会計監査は入っているようですのでので、基本的には問題はないでしょう。

……といいますか。匿名組合における分別管理の部分は資金の流れさえしっかりとしていればソーシャルレンディング会社では他の金融系、特に銀行よりも事業者リスクとしては安全だとさえも言える面があります。これに関しては別記事で改めて説明したいと思います。

クラウドバンクは米ドル建てファンドなど新しいサービスも開始しており、最近明るいニュースのないソーシャルレンディング業界で気を吐いている感です。

先程述べました通り、財務的な不安は少ないと判断しますので他社で出ているような事業者リスクは低いと思われます。今後、クラウドバンクに求める所としましては他子会社も含めた連結ベースでの開示を行ってほしいものです。

クラウドバンク

とは言え、損益計算書や貸借対照表ではあくまで会社の資金繰りが分かるのみで、TATERUのような不正問題は検知できかねる…という所はあります。

事実、TATERUも貸借対照表での財務健全性だけ見ると超優良企業にしか見えませんので。とは言え、あのようなユーザー側としては不慮の問題が発生したとしても、当面財務的には問題ない水準とは思われますので、そう言った意味での判断基準にはなるでしょう。

そう言った意味ではTATERUも今後の新規投資はともかくとして、現状の取引につきましては一定の安心感を持っています。よって、運用期間が残り少ないこともありますがクラウドファンディングの途中解約ということはしておりません。

それでは他のソーシャルレンディング事業者は、財務健全性についてどうなのでしょうか。これは次回以降に続けて紹介したいと思います。